2009 Fiscal Year Annual Research Report
大型構造物の閉じたき裂映像化のための低周波加振型非線形超音波映像法の創出
Project/Area Number |
21686069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 良和 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (90520875)
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Keywords | 非破壊評価 / 非線形超音波 / 閉じたき裂 / フェーズドアレイ / 低周波加振 |
Research Abstract |
高度経済成長期に建造された高速道路・橋梁などの大型構造物は経年劣化が蓄積されており、社会の安全と安心のためには、それらを非破壊で評価する必要がある。本研究の目的は、大型構造物の閉じたき裂を高分解能で映像化するため、低周波加振とパルス超音波フェーズドアレイを組み合わせた"低周波加振型非線形超音波映像法"を創出することである。 本年度は、[1]大振幅低周波加振器の試作、[2]閉じたき裂試験片の準備、[3]高速数値シミュレータの開発を遂行した。[1]では、き裂面を開閉振動させるために、安定して大変位を試験片に伝達する低周波加振器(1kHz~20kHz)を試作した。励振源としては、超磁歪型アクチュエータを選択した。また、このアクチュエータの形状に合わせて、固定用治具を試作した。これにより、レーザー干渉計でその変位出力性能を調べた結果、MHz帯域の周波数を使用する通常の超音波探傷ではnmオーダーの変位が限界だったのに対し、1000nmを超える大変位の励振が可能であることが分かった。[2]では、閉じたき裂試験片の準備として、アルミニウム合金A7075のCT(compact tension)試験片で、閉じたき裂試験片を作製した。これは、閉じたき裂試験片の最適作製条件を検討するため、次年度も継続して行う。[3]では、任意の散乱源を想定し、音線解析とフェーズドアレイアルゴリズムに則った高速数値シミュレータを開発した。これにより、次年度以降の実験結果と対比させて、映像化アルゴリズムおよびパラメータの最適化を行う。
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