2009 Fiscal Year Annual Research Report
薄板生産工程に導入可能な交流磁界・パルス磁界型アンペール力磁気浮上システムの開発
Project/Area Number |
21686070
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大路 貴久 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(工学), 准教授 (30334709)
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Keywords | 磁気浮上 / 透導反発 / アンペール力 / 渦電流 / リニア / 非磁性金属薄板 / 交流磁界 / パルス磁界 |
Research Abstract |
非磁性金属薄板製品を浮上力の作用対象とした,生産工程への導入を目的とした2種類のシステム((1)薄板の非接触搬送制御システム,(2)スタック薄板分離システム)を提案した。いずれもアンペール式(金属薄板中の渦電流を浮上力に変換利用する方式)の利用を考慮した試作機を製作し実験評価を行った。 (1) 非接触浮上搬送制御システムについては,製品となる方形薄板に浮上力およびアンペール力を付与できる固定子構造について再設計した。平板に限定した際の浮上・案内の同時安定を得るために,浮上体を十字薄板とする方法があった。また円形薄板に対しては浮上と案内を別々の電磁石に分担させる方法を用いることで安定な状態が得られた。これらの知見から浮上体が方形薄板の場合でも幾何的に同一の関係(トポロジ的)となる固定子構造として,櫛状4極のレール4本を格子状に組み合わせた基本ユニットを考案し,コイル等も含め計6ユニットを製作した。多数の励磁パターンの中から十分な浮上力が得られる3種類の励磁パターンを用意し,浮上力および浮上方向,案内方向の安定性,搬送リップルの発生予測,熱の発生状態について実験的に評価した。その結果,通常の誘導浮上力と同時に,方形薄板中の渦電流経路を考慮したアンペール力の重畳が可能であることを確認した。 (2) スタック薄板分離システムについては,方形薄板上方に磁石群を配置し,急減する磁束による薄板への吸引力を測定することで最も効率良く浮上力を与える磁石配置を実験的に導出した。さらに薄板側部に永久磁石を取り付けるだけで瞬間的に生じる渦電流に対しアンペール力を重畳できることを示した。パルス状の磁場変動に対し十分な吸引力が得られたことから,スタック薄板の複数枚吸引からの電磁分離の可能性を調査予定である。
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