2010 Fiscal Year Annual Research Report
複雑多孔質構造への粒子堆積挙動を考慮した高温集塵システムの高性能化研究
Project/Area Number |
21686073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 元 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40336003)
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Keywords | 石炭ガス化複合発電システム / フィルタ / 数値解析 / 多孔質体 / 集塵 / 不織布 / 固気二相流 / 逆洗 |
Research Abstract |
石炭ガス化複合発電システム(IGCC)システムにおいて、発電用ガスタービンを粒子から保護するために、金属不織布フィルタを用いた集塵操作が用いられているが、安定稼動のために行われる逆洗操作が必要なことから、集塵効率のみならず、堆積層の均一形成、低圧力損失、払い落とし性能などが重要となる。しかしこれらに関わるフィルタのミクロ構造と粒子付着挙動の相関や、粒子性状と圧力損失の関係は、実験では測定が困難であるため未だ明確にされていない。そこで本研究では数値解析手法を用いて、フィルタ実構造の数値化と特性評価、実測値との比較を行い、粒子付着堆積挙動解析と特性評価手法を開発した。平成21年度開発した解析モデルに逆洗操作による払い落としの効果を組み込み計算を行った。その結果フィルタ透過面の繊維構造により付着粒子の内部侵入分布が異なり、そのため逆洗サイクルに伴う圧力変動に差異が生じることがわかった。この結果を踏まえ細孔径分布の異なる傾斜構造を模擬し、その有効性を検証した。また堆積層の空隙構造の影響を考慮するために、炭素粒子を含むペーストを作成し、模擬粒子堆積層作成用塗布装置を用いて、表面塗布後、圧縮・乾燥させ、フィルタ内および表面の粒子堆積層を再現し、断面観察と画像分析により構造特性(細孔径分布、透過率)を算出した。同塗布条件でも粒子種により空間構造に差異が見られた。以上より、各運転環境(供給圧・供給流量)と粒子種条件において、最適不織布構造の指針提案が可能な数値解析モデルを開発できた。
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