2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21686074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50312997)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 自己組織化 / 高次構造体 / コンビナトリアル手法 / プロセス技術基盤 |
Research Abstract |
(1)SWCNT基板上合成技術の拡充 SWCNT基板上高速成長は、未だ限られたグループしか実現できておらず、水蒸気等の微量の添加剤が有効などと提案されているが未確立である。我々はこれまでに低分圧のC_2H_2がSWCNTの高速成長に有効なことを見出している。H22年度は、C_2H_2/Arのみというシンプルな原料ガスにてSWCNTのミリメータースケール高速成長を確立し、合成ウィンドウを明らかにするとともに、微量の水蒸気添加の効果も明らかにした。 (2)SWCNT構造体のボトムアップ形成と特性評価 石英ガラス基板上に触媒を担持し、SWCNTを疎に成長させると、SWCNTは自己組織的に網状膜を形成する。C_2H_2およびC_2H_5OHを原料に、多様な触媒条件・CVD条件でSWCNTを合成すると、広範な透明性・導電性を有す透明電極が得られた。データを俯瞰すると、C_2H_2よりもC_2H_5OH原料を用いた方が導電性が1桁ほど高く、前者ではSWCNT表面に炭素副生成物が析出し易く、導電が阻害されると考えられた。得られたSWCNT網状膜をエタノール蒸気に曝して凝縮・乾燥すると、網状膜が緻密化し、導電性が2倍程度向上することも明らかになった。 (3)トップダウンとボトムアップの融合による構造体の多様化 SWCNTおよびMWCNTをガラス基板上に1秒で合成する技術を更に進化させた。基板上にライン状電極を形成し、その上に触媒を担持し、C_2H_2雰囲気下で電極にパルス電流を流すことでCNTを成長させる。パルス電流を複数回流し、触媒還元とCNT成長を別パルスに分けることで、再現良くCNTを成長させることが可能になった。また、ライン状電極にネックを設けることで、ネック部分に位置選択的にCNTを合成できるようになった。多様なCNTエミッタの特性と寿命の評価を行い、集合形態およびパターニングの重要性を明らかにした。
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Research Products
(31 results)