2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21686074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50312997)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 自己組織化 / 高次構造体 / コンビナトリアル手法 / プロセス技術基盤 |
Research Abstract |
(1)SWCNT基板上合成技術の拡充 SWCNTの基板上合成には、炭化水素やアルコール類など種々の原料が用いられる。我々はcold-gas CVD法を提案・開発し、C_2H_50Hの熱分解によりSWCNTをミリメータスケール成長できる系について、気相で生成するC_2H_2が主要な前駆体で、C_2H_2を原料に用いるとガス加熱無しにSWCNTをミリメータスケール成長できることを明らかにした。 (2)SWCNT構造体のボトムアップ形成と特性評価 CNT垂直配向膜は魅力的な構造を有しているものの、通常は密度が0.03-0.07g/cm^3と非常に低く、ほとんどが空隙である。我々は、導電性微結晶下地上に触媒を担持する際、核生成・成長のバランスを制御して得た稠密な触媒を用い、CNTを1g/cm^3と従来より数10倍密に成長させることに成功した。 (3)トップダウンとボトムアップの融合による構造体の多様化 SWCNTの電子デバイス応用には、半導体性と金属性のSWCNTを別々に得ることが強く望まれる。我々は浮遊触媒CVD法にて気相中にSWCNTを孤立状態で合成し、半金選択合成を試みたが、明確な半金選択性は得られなかった。一方、半金分離技術の進展は目覚しいが、良質なSWCNT自体が1g10万円前後と高価なため、半金分離SWCNTは1mg10万円前後と極端に高価である。良質なSWCNTの低コスト化を目指し、火炎合成法を検討、直径1mmと細いSWCNTの火炎合成を実現した。 (4)形成プロセス・集合形態・全体特性の体系化. SWCNT合成では、触媒粒子形成とSWCNT成長の二つの過程が、とても重要となる。前者は、その反応場(気相均一系or表面不均一系)と形成過程(昇温分解or冷却凝縮)の観点で、後者は反応速度(前駆体の局所濃度と反応確率)と失活速度(炭化失活と触媒粗大化)の観点で、体系化を行った。
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Research Products
(31 results)