2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能性磁性ナノ粒子を用いた筋組織再生技術によるバイオアクチュエーターの開発
Project/Area Number |
21686079
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井藤 彰 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (60345915)
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Keywords | バイオアクチュエータ / 筋芽細胞 / 筋組織 / ティッシュエンジニアリング / アクチュエータ / 磁性粒子 / リポソーム / マグネタイト |
Research Abstract |
我々の身の回りにあるアクチュエータと比較すると、筋肉はきわめて高いエネルギー効率を有している。本研究では、「磁力を用いた三次元組織構築技術」を応用して、筋芽緯胞からなる三次元組織を構築し、「機能する」つまり電気刺激に応じて収縮運動する人工筋組織(バイオアクチュエーター)を構築することを目的とする。平成21年度は研究実施計画に基づいて主に以下の3つの研究課題に関して研究を行った。 1. 磁力を用いた遺伝子導入筋芽細胞の作製 筋芽細胞をアクチュエータとして使用する場合、遺伝子導入によって筋芽細胞の能力を高めることが可能となる。正電荷脂質包埋型磁性ナノ粒子(MCL)でレトロウイルスベクターを磁気標識し、磁力で筋芽細胞に引き寄せることで、高効率に遺伝子導入する手法「Magnetofection法」を開発した。また、バイオアクチュエータに効果があると考えられるPGC1α遺伝子、Connexin43遺伝子、IGF-I遺伝子およびBc12遺伝子の取得に成功した。 2. 磁力を用いた三次元筋組織の構築 MCLを筋芽細胞に添加し、磁力で細胞を集積させて培養することで、筋芽細胞シート、筋芽細胞ロッドおよび筋芽細胞リングを作製した。さらに、筋芽細胞リングは分化誘導培地で培養することで、筋管を含み、電気刺激に応答する筋組織を作製することに成功した。 3. 中空糸型バイオリアクターを用いた分厚い筋組織の構築 金属スペーサーを用いて中空糸を0.1mm間隔に配置したデバイスの上から磁力を用いて磁気ラベルした筋芽細胞を播種することで、中空糸を含んだ筋芽細胞組織を作製した。さらに中空糸に培地を還流して培養することで分厚い筋組織の構築に成功した。
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