2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性磁性ナノ粒子を用いた筋組織再生技術によるバイオアクチュエーターの開発
Project/Area Number |
21686079
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井藤 彰 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60345915)
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Keywords | バイオアクチュエータ / 筋芽細胞 / 筋組織 / ティッシュエンジニアリング / アクチュエータ / 磁性粒子 / リポソーム / マグネタイト |
Research Abstract |
我々の身の回りにあるアクチュエータと比較すると、生体内の筋肉はきわめて高いエネルギー効率を有している。本研究では、研究代表者が今までに開発してきた「磁力を用いた三次元組織構築技術」を応用して、高密度の筋芽細胞からなる三次元組織を構築し、「機能する」つまり電気刺激に応じて収縮運動する人工筋組織(バイオアクチュエータ)を構築することを目的として研究を行った。 平成22年度は研究実施計画に基づいて主に以下の2つの研究課題に関して研究を行った。 1.遺伝子導入筋芽細胞の機能評価 筋芽細胞をアクチュエータとして使用する場合には、遺伝子導入によって筋芽細胞の能力を高めることが可能になると考えられる。前年度作製したIGF-I遺伝子およびBc12遺伝子をそれぞれ導入したC2C12細胞(C2C12/IGFおよびC2C12/Bc1)の機能を評価した。結果として、C2C12/IGFは、IGF-Iのパラクライン/オートクライン作用によって、増殖能・分化能ともに向上した。また、C2C12/Bc1は、Bc12の抗アポトーシス作用によって、組織構築後の細胞の高密度化に伴う低酸素状態でも細胞の生存率が向上した。 2.磁力を用いた三次元筋組織の構築 機能性磁性ナノ粒子を筋芽細胞に添加し、磁力で細胞を集積させて培養することで筋芽細胞リングを作製し、分化誘導培地で培養することで、分化した筋組織を作製した。本方法で作製した筋組織は、電気刺激にリズミカルに応答し、力を発生したことから、本方法で作製した筋組織はバイオアクチュエータに応用可能であると考えられる。
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Research Products
(9 results)