2010 Fiscal Year Annual Research Report
資源量評価に向けた天然ガスハイドレート生成史の解明
Project/Area Number |
21686084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 篤史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10335333)
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Keywords | メタンハイドレート / 生成年代推定 / ガスクロマトグラフ質量分析計 / 間隙水 / メタノール / ホルムアルデヒド / 自然放射線 / 天然ガス資源 |
Research Abstract |
本年度の「研究実施計画」における各項目別に研究実績の概要を記す. 1.「水中の微量メタノール計測法の最適化」ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた水中の微量メタノール計測法の最適化を行い,その再現性についても確認した.また,メタノールに加え,メタンハイドレートに含まれるホルムアルデヒドも年代推定の指標となりうることが新たに判明した.メタノールに比べホルムアルデヒドは誘導体を利用してガスクロマトグラフ質量分析計で検出できるため,高い信号ノイズ比で計測することができた.よって,本研究で開発している手法では,メタンハイドレートの生成年代が千年前後でもその年代を判別できるということがわかった. 2.「天然ガスハイドレートの入手とそこに含まれるメタノール量の評価」日本海でのガスハイドレート調査に参加し,天然ガスハイドレートと堆積物,および堆積物に含まれる間隙水の採取に成功した.大学へ試料を持ち帰り分析したところ,天然ガスハイドレートの分解後の水からメタノールを検出することができた.また,間隙水に含まれるメタノールやホルムアルデヒドも検出でき,海底堆積物におけるそれらの動態をはじめて明らかにした. 3.「自然放射線量率の評価と年代推定」日本海における調査から,天然ガスハイドレートの分布は層状や塊状と多様であることがわかった.天然ガスハイドレートにおける放射線量の評価には,3次元観察などによる形状の評価が必須であることが明らかとなった.
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Research Products
(18 results)