2010 Fiscal Year Annual Research Report
電磁力のポジティブ応用による高速炉熱流動問題の包括的解決技術の実証
Project/Area Number |
21686086
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
結城 和久 山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (90302182)
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Keywords | 高速炉保全技術 / 流体工学 / 熱工学 / 電磁力 |
Research Abstract |
平成22年度では平成21年度に引き続き、液体ガリウムをナトリウムの擬似流体とする小型の流動ループの改修に取り組んだ。装置は、通常の流体ループの基礎的コンポーネントである循環ポンプ、試験部、アッパータンク、流量計測部、熱交換部、ドレインタンク、によって構成されている。しかしながら、長時間の運転においてガリウム酸化物が自由液面に堆積し、かつ一部は固形物として流動に追従するため、データ取得が非常に困難であるというガリウム取り扱いに関する工学的知見を得た。そこで先ず、酸化抑制のためArガス雰囲気での実験が可能となるよう、流動ループにArガスのパージシステム、ならびに酸化して浮遊した酸化物を除去するためのフィルター、を設置した。更に、研究初年度に購入したタービン式流量計では低流量条件での流量計測が困難であったため、新たに磁気回路を設計して電磁流量計を製作した。この電磁流量計の設計と校正のための実験に大幅な時間を費やした。これらの装置改修終了後、地震等の緊急時に全てのガリウムがドレインタンクに回収できるか、また、配管内やパージ系でのチョーキングなど、ガリウム取り扱いに関する多くの工学的知見を得ることができた。次に、本来の目的である磁場による温度変動の減衰を評価するため、試験部ならびに温度変動の計測系を一新した。これは得られる温度変動が小さい場合に既存アンプでは不確かさに問題が出るため、キーエンス製の高精度ひずみ計測器を購入し設置した。途中、試験部として使用していた塩ビ製試験部が破損したため、新たに塩ビ製の正方形ダクト(断面3cm×3cm)を作製し、発熱円柱(直径10mm×高さ30mm)を設置して液体ガリウム循環のシェイクダウン試験を開始した。並行して、導電壁の温度変動減衰データを取得するため、同じ幾何形状のステンレス製ダクトを設計・製作した。一方、磁場下の乱流計算に関し、平成21年度に作成した正方形管内流れに対するLESコード(ダイナミック混合モデル)を実験体系へ改良している状況である。
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Research Products
(1 results)