2011 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビームを用いた高アスペクトマルチナノアレイエレクトロッドの作製
Project/Area Number |
21686087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大島 明博 大阪大学, 産業科学研究所, 特任研究員 (80398924)
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Keywords | 量子ビーム / アレイ電極 / 金属還元 / 超低エネルギーEB / ナノ粒子 |
Research Abstract |
昨年度までの研究をもとに、ナノアレイ電極を作製するために2つの方法を検討しけた。1つ(前加工)は、架橋体を含むフッ素系高分子材料に対して、各種イオンビームによる真空中直接エッチングを行い、ナノスケールで空間的に制御されたマイクロからナノスケールのアレイ状の微細加工体を作製した。量子ビームを照射した後、加工体表面の残存するラジカルを開始点としてグラフト重合を行い、イオン交換基を付与することで機能化し、機能化された微細加工体表面に硝酸銀を用いて銀イオンを塩化処理した。このように作製した銀イオンがパターニングされて高分子中に固定化されている加工体に対して、超低エネルギーEB装置を用いて、100kVの電子ビームを20mC/cm^2照射し、銀の還元を行うことで、アレイ電極の作製条件を検討した。もう一つ(後加工)は、試料全体を予め電子ビームグラフト法により機能化し、その試料に銀イオンを担持した試料に対して、イオンビーム装置ならびに電子ビームリソグラフィー装置を使ってナノからマイクロスケールのパターニングを行うことで、局所的に銀の還元を行う方法を検討した。その結果、前加工法ならびに後照射法にかかわらず、純銀が得られることが各種分析(XRDやSEM-EDX等)によってわかった。特に還元の際の線量が少ない場合は、銀のナノ粒子(φ100-200nm)が得られ、線量の増加と共に構造体へと成長していくことがわかった。しかしながら、前照射法では、グラフト反応ならびに担持の際の銀イオンの分布に影響を受け、還元された銀の構造体の表面状態が、後照射法に比べ粗になりやすいことがわかった。以上より、量子ビームによる固相中に担持された金属イオンの直接還元によりナノスケールのアレイ電極を作るためには、後照射法による加工が望ましいことがわかった。 今後、量子ビームによる固相中の直接金属還元法を利用して、有機/無機のハイブリッドデバイスへの鷹揚や、燃料電池用電極触媒の直接形成等への応用をはかって行く予定である。
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Research Products
(5 results)