2012 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造情報を利用した高輝度蛍光タンパク質の合理的なデザイン法の開発
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21687007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 知己 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50419206)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 蛍光タンパク質 / 構造生物 / タンパク質工学 / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
1) X線結晶構造解析により決定した立体構造間の比較・解析 平成23年度までにX線結晶構造解析により決定した、UV励起蛍光タンパク質 Sirius、及びシアン蛍光タンパク質mSECFPからSiriusを開発する過程で得られた途中段階の変異体の立体構造を詳細に比較した。その結果、蛍光タンパク質に特徴的なβ-can 構造を形成するβストランドのうちの、7番目のβストランドにおいて、各変異体の立体構造間で顕著な違いを見出した。蛍光強度の増加したSiriusではこの7番目のβストランドがより蛍光発色団に近い位置にシフトしており、タンパク質内での蛍光発色団のパッキングの向上に寄与していることが示唆された。さらに、開発の初段階で作製された無蛍光性の変異体 mSECFP-Y66Fの蛍光発色団構造の解析を行った。蛍光を持つ変異体で見られる5員環と6員環から形成されている蛍光発色団のうちの6員環部分がmSEDFP-Y66Fでは脱離していることが立体構造から示唆されていた。この6員環の脱離をより直接的に裏付ける為に、トリプシン消化したmSECFP-Y66Fについて質量分析による解析を行い、発色団が5員環のみから形成されていることが示唆される結果を得た。 2) 分子シミュレーションによる解析 各変異体について、タンパク質の運動性と蛍光量子収率の相関を計算化学的に考察するためにQM/MM-MD(量子化学/分子力学-分子動力学)計算を行う系を大阪大学蛋白異質研究所中村教授の研究室との共同研究により構築している。前段階としての蛍光発色団と溶媒分子を考慮したQM計算の系を立ち上げについてはほぼ完了し、タンパク質中でのタンパク質主鎖の運動を考慮した計算を行う段階へと進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)