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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ヒストン脱メチル化酵素Jmjd1aによる糖脂質代謝調節

Research Project

Project/Area Number 21687013
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

稲垣 毅  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (10507825)

Keywordsヒストン / Jmjdla / エピゲノム / 肥満 / ChIPシークエンス / RNAシークエンス
Research Abstract

ヒストン脱メチル化酵素Jmjdlaの標的遺伝子解析を行ったほか、Jmjdlaと時計遺伝子の関与について検討した。さらに、Jmjdlaの作用複合体解析を開始した。
肥満のJmjdlaKOマウスと野生型マウスから得られたMEF細胞についてChIPシークエンス(seq)行い、標的遺伝子を解析した。昨年度の結果に加え、ヒストンH3K9mel抗体を用いたChIP seqの結果を得ることで、H3K9のメチル化レベルがJmjdlaの発現によって変化する遺伝子領域を検討した。さらに、H3K4me3抗体を用いてChIP seqを行って、活性化された遺伝子の転写開始点を網羅的に解析するとともに、RNA seqの手法を用いて遺伝子発現自体を検討した。その結果、4.5sRNAのコード領域の近傍にJmjdlaKO MEF特異的に発現している未知の転写産物が確認された。JmjdlaKOマウスの表現形を考慮すると、この転写産物は代謝制御に関与している可能性が考えられることから、より詳細な検討を行うこととし、全長のクローニングを開始した。
JmjdlaKOマウスから得られる臓器を用いた発現マイクロアレイの結果に基づいた基礎データにおいて、サーカディアンリズム関連遺伝子の発現変化を認めたことから、Jmjdlaとリズム調節の関連についての検討を行った。中枢時計への影響を検討するため、マウスの行動解析をおこなった。12時間の明暗条件に順応させた後に恒暗条件にして、活動時間のシフト変化を検討したが、JmjdlaKOマウスにおける有意な変化を認めなかった。この結果、Jmjdlaが末梢時計に関与している可能性を考えて検討を行った。JmjdlaKOと野生型のMEFを100nMデキサメサゾンで15分間処理して慨日リズムの時間振幅を誘導した後、時間経過後の時計遺伝子発現を検討した。Hlf遺伝子の発現が、検討したどの時間においてもJmldlaKO MEFで低下していたものの、コアクロック遺伝子の発現リズムの差は認められず、Jmjdlaとコアクロック遺伝子との関連に関する証左は得られなかった。
Jmjdlaの作用複合体を解析するため、作製したJmjdlaモノクローナル抗体を用いてプロテオミクス解析を開始し、現在詳細に条件検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、ほぼ計画予定通りの実験を行い、結果が得られている。今回報告しました時計遺伝子発現のように結果が陰性であったものや、Jmjdla抗体を用いたChIPシークエンスなど、現在も条件検討を行っている実験もあるが、概ね予定していた実験が終了したものと考えている。さらに、Jmjdlaの肥満機構を検討するにあたり、発現アレイのみでは完全に解明できるとは言えないことが明らかになってきたことから、新規にRNAシークエンスを行い、すでに結果を得た。またJmjdla抗体を予定通り作製することに成功したことから、当初の予定には含めていなかった作用複合体解析を開始できたことから、次年度については、当初の計画以上に進展することが予想される。

Strategy for Future Research Activity

これまで得られた結果をもとに、さらに研究を深めて推進する方策である。ヒストン脱メチル化酵素Jmjdlaの標的遺伝子を解析する目的で、ChIPシークエンスや発現アレイに加えてRNAシークエンスを行うことで、JmjdlaKO MEF特異的に発現している未知の転写産物が確認された。今後、この転写産物について詳細な検討を進めていく予定である。Jmjdla抗体を用いたChIPについては、標的遺伝子領域を免疫沈降するために、引き続き条件検討を行っている。さらに、モノクローナルJmjdla抗体を予定通り作製することに成功したことから、当初の予定には含めていなかったプロテオミクスの手法を用いた作用複合体の解析を開始した。Jmjdla抗体を用いたChIPの例からも推測されるように、新規の抗体を用いた免疫沈降法は困難が予想される。そのため、使用細胞種、タンパク精製方法、使用ビーズ種、使用抗体量、免疫沈降時の塩濃度、抗体との分離方法など、詳細に関して検討することで、対応していく予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2011 Other

All Presentation (3 results) Remarks (3 results)

  • [Presentation] 転写因子とエピゲノムを介したエネルギー代謝の制御機構2011

    • Author(s)
      稲垣毅
    • Organizer
      平成23年度第1回応用動物科学セミナー
    • Place of Presentation
      東京大学農学部(東京都)(招待講演)
    • Year and Date
      2011-07-20
  • [Presentation] ヒストン脱メチル化酵素Jmjd1aによる代謝調節2011

    • Author(s)
      稲垣毅、立花誠、眞貝洋一、酒井寿郎
    • Organizer
      第84回日本内分泌学会学術総会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場(兵庫県)(シンポジウム)(招待講演)
    • Year and Date
      2011-04-23
  • [Presentation] Transcriptional and Epigenetic Regulations of Metabolism2011

    • Author(s)
      稲垣毅
    • Organizer
      日本ベーリンガーインゲルハイム 神戸医薬研究所セミナー
    • Place of Presentation
      日本ベーリンガーインゲルハイム 神戸医薬研究所(兵庫県)(招待講演)
    • Year and Date
      2011-04-22
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.lsbm.org/staff/inagaki.html

  • [Remarks]

    • URL

      http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/people/staff-inagaki_takeshi.html

  • [Remarks]

    • URL

      http://www.mm.rcast.u-tokyo.ac.jp/member/inagaki.html

URL: 

Published: 2013-06-26  

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