2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21687017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊島 文子 Kyoto University, ウイルス研究所, 教授 (40397576)
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Keywords | 細胞周期 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
本研究では、ヒト培養細胞であるHeLa細胞を用いて、分裂期の小胞輸送、特にインテグリン小胞の輸送制御の分子メカニズムの解明を目的とする。本年度は、細胞分裂期制御因子であるPolo-like-kinase(Plk)が分裂期の小胞輸送を制御する可能性について検討した。PlkファミリーのPlk1とPlk3を特異的に抑制する阻害剤GW843682Xで細胞を処理し、抗インテグリン抗体で細胞染色したところ、G2期からM期において細胞内のインテグリン小胞が肥大化する現象が観察された。同様の現象は、Plk1をsiRNAにより発現抑制した場合も観察されたことから、Plk1が分裂期におけるインテグリン小胞の大きさを制御する可能性が示唆された。また、初期エンドゾームのマーカーであるEEA1でも分裂期においてPlk1の抑制依存的に肥大化が観察された。分裂期では、初期エンドゾームの膜融合が抑制されることが知られている。おそらく、この抑制機構にPlk1が関与すると考えられる。今後は、膜融合の生化学的な解析法を用いて定量的に検討を行う予定である。また、分裂期の膜融合阻害におけるPlk1の基質の同定を試みる。
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Research Products
(2 results)