2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21688008
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
舛廣 善和 Nihon University, 生物資源科学部, 講師 (00336083)
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Keywords | 細胞膜透過性タグ / サイトカイン / SOCS / DP-1 / p53 |
Research Abstract |
本研究では"癌の完全抑制"を目標に、今後注目の癌治療法になると考えられるタンパク質療法への応用が可能な細胞膜透過性癌抑制タンパク質発現系の構築を目指している。特に癌抑制能があると考えられるSOCS-2,3およびp53の細胞膜透過性タンパク質(細胞膜透過性タグとしてMTMを用いる)を作成し、癌細胞の増殖抑制やアポトーシス誘導が可能な系の構築を目指す。既に、大腸菌発現系にて細胞膜透過性SOCS2,3およびp53の発現システムの確立には成功していた。 本年度は、細胞膜透過性SOCS-2においては、培養癌細胞系へ導入した場合、有為に細胞増殖を抑制することを確認した。また、このSOCS2タンパク質が成長ホルモンレセプターに相互作用が可能であることを確認した。よって、本タンパク質が成長ホルモン過剰による巨人症や、癌増殖の抑制に有効である可能性が示唆された。 細胞膜透過性SOCS-3においても培養癌細胞の増殖を抑制することを確認した。また、細胞内に導入後DP-1の転写活性を有為に抑制することを見出した。 細胞膜透過性p53においては培養癌細胞系への導入した際、細胞増殖抑制はもとより、標的遺伝子の発現誘導やアポトーシス誘導も確認した。 また、細胞膜透過性RAR alphaタンパク質については、これまでに急性前骨髄球性白血病患者由来のNB4細胞およびレチノイン酸不応性のNB-4R2細胞を顆粒球へ誘導すること、またRXRとの2量体形成能・DNA結合能を保持していることを確認していた。本年度はルシフェラーゼアッセイと導入細胞の全RANからのRT-PCRにより転写活性を保持していることを確認した。よって、本細胞膜透過性RAR alphaタンパク質が血中への複数回投与時、抗原性を示さなければ、急性前骨髄球性白血病の有効な治療法へ発展する可能性が高い。
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