2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア熱帯林における土壌呼吸のホットスポット現象に関する研究
Project/Area Number |
21688012
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
大橋 瑞江 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30453153)
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Keywords | 土壌呼吸 / 熱帯林 / アリ / シロアリ / 炭素循環 / ホットスポット / 変動特性 / 環境要因 |
Research Abstract |
土壌呼吸(土壌からのCO_2放出)は大気中のCO_2濃度の10%を占め、その大部分が森林土壌中の生物活動に由来する。代表者は、2002年よりボルネオ島の熱帯多雨林で土壌呼吸の調査を行い、多数のホットスポット現象(土壌呼吸の大量発生)を発見した。ホットスポットは発生する場所・時期ともにランダムに変化したことから、その発生原因の一つに、これまでの土壌呼吸研究では殆ど注目されてこなかった土壌動物(特にシロアリとアリ)の関与が考えられた。そこで本研究は、1)アジア熱帯林における土壌呼吸のホットスポットの重要性、2)ホットスポットの発生メカニズム、3)土壌呼吸の生成過程における土壌動物の役割、を解明することを目的とした。 本年度は、ホットスポットが報告されたランビルヒルズ国立公園(マレーシア、サラワク州)の熱帯田雨林において土壌呼吸のライン調査とコロニー調査を行い、ホットスポットの発生頻度、発生原因について調査を行った。ライン上の20点で土壌呼吸の測定後に土壌を採集してCO_2発生源(根・土壌動物)を分離した。発見されたホットスポットの下にはシロアリの巣がみられ、根量(乾重)は必ずしも多くはなかった。ホットスポットとシロアリの関連を考察するために、シロアリのコロニー上で土壌呼吸を測定した結果、測定値は非常に高かった。今年度はタイでも同様の調査を行い、炭素循環におけるホットスポットの重要性をアジア広域で評価する。
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