2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信技術を応用した沿岸性魚類の固執・回帰メカニズムの解明
Project/Area Number |
21688015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三田村 啓理 京都大学, 情報学研究科, 助教 (20534423)
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Keywords | メバル / バイオテレメトリー / バイオロギング / 高精度測位 / Sebastes / 情報通信技術 / 回帰 / 固執 |
Research Abstract |
本研究は、情報通信技術を応用して、沿岸性魚類メバル、カサゴなどの詳細な固執・回帰行動メカニズムを解明することを目的としている。初年度は有線型の高精度測位バイオテレメトリーシステムの開発に成功した。今年度は、情報通信技術を応用した無線型の高精度測位バイオテレメトリーシステムの開発に成功した。本システム(無線型)は、ハイドロフォン2組を搭載した水中ステレオデジタル録音型のバイオテレメトリーシステム(AUSOMS~Ver.3)である。2組のハイドロフォンから得た録音データから音源方位を算出できる。本機を複数台使用して音源を測位する。本システムは、サンプリング周波数、録音レベル、フィルタの切り替えやスケジュール録音、最長15日間の連続録音が可能である。またヘテロダイン検波方式を用いて超音波信号を可聴信号に変換できる。 本システムを実水域へ展開するのに先立ち、測位精度をシミュレーションにより評価した。その結果、1cm以下の測位精度を得られることが明らかになった。実水域での実験は、広島県竹原市沖でおこなった。まずは本システムの海底設置方法、超音波信号の受信範囲、受信精度などの基礎的なデータ収集に取り組んだ。その後、本システムを用いて、メバル10個体を40時間連続モニタリングした。その結果、メバルは岩礁域を中心に狭い水域に固執すること、その水域の中で日周移動をおこなうことがわかった。 研究成果を、2011年3月に7th International Symposium on SEASTAR 2000 and Asian Bio-logging Scienceで、また2011年6月に9th Conference on Fish Telemetry heldin Europeで報告した。
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Research Products
(7 results)