2011 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信技術を応用した沿岸性魚類の固執・回帰メカニズムの解明
Project/Area Number |
21688015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三田村 啓理 京都大学, 情報学研究科, 助教 (20534423)
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Keywords | メバル / バイオテレメトリー / バイオロギング / 高精度測位 / 回帰 / 固執 / Sebastes / 行動メカニズム |
Research Abstract |
本研究は、情報通信技術を応用して、沿岸性魚類メバルなどの詳細な固執・回帰行動メカニズムを解明することを目的としている。平成21年度は有線型の高精度測位バイオテレメトリーシステムの開発に成功した。平成22年度は、情報通信技術を応用した無線型の高精度測位バイオテレメトリーシステムの開発に成功した。本システム(無線型)は、ハイドロフォン2組を搭載した水中ステレオデジタル録音型のバイオテレメトリーシステム(AUSOMS Ver.3)である。2組のハイドロフォンから得た録音データから音源方位を算出できる。本機を複数台使用して音源を測位する。 平成23年度は、アカメバル、シロメバル、カサゴ、クロソイ、クロマグロ、マサバ、ヒメマスなどの魚類の固執・回帰行動などを実海域で連続モニタリングした。神奈川県横須賀市沖の実験水域では、シロメバルの回帰行動のモニタリングをおこなった。その結果、シロメバルは潮流方向に沿って移動しつつ主に嗅覚を利用しながら巣を探索する。その後は海底のランドマークと併用して巣に回帰することが明らかになった。また、広島県竹原市沖の実験水域では、アカメバルの固執行動のモニタリングをおこなった。その結果、アカメバルは岩礁域を中心に狭い行動圏を有しており、その中で餌場と巣を往復する日周移動を示すことが明らかになった。また、他海域での実験により多個体の移動を同時に高精度にモニタリングできることを示すとともに、沿岸性魚類の固執・回帰行動のメカニズム解明に迫った。
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