2009 Fiscal Year Annual Research Report
葉内コンダクタンス測定のための減圧パルス-クロロフィル蛍光計測法の開発
Project/Area Number |
21688018
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高山 弘太郎 Ehime University, 農学部, 講師 (40380266)
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Keywords | 農業工学 / 植物応答 / 生体情報計測 / 植物診断 |
Research Abstract |
光合成の基質であるCO2は,大気中から気孔を通って葉内に取り込まれた後,葉緑体のストロマに輸送され,カルビン・ベンソン回路の働きにより固定される。本研究では,葉内におけるCO2輸送において重要な役割を果たしている葉内コンダクタンス(=1/葉内抵抗)を簡便かっリアルタイムに計測するための「減圧パルス-クロロフィル蛍光計測法」を開発することを目的としている。クロロフィル(Ch1)蛍光は,光合成の主色素であるCh1aから発せられる光であり,これを正確に計測することにより光合成反応系の状態を非破壊かつ非接触でモニタリングできる。本研究では,このCh1蛍光計測技術と生物環境工学的なチャンバ内環境制御技術を合体させ,全く新しいアプローチで葉内コンダクタンスを連続的かつ簡便に計測する画期的なシステム「減圧パルス-クロロフィル蛍光計測法」の開発を試みる。 本システムの計測の手順の概要は,(1)特製チャンバに葉を固定し,光合成を定常状態にする,(2)チャンバ内圧力を急激に低下させ,一時的に低圧状態とする(減圧パルス),(3)この間,Ch1蛍光を連続的にモニタリングし,減圧パルス開始時点からCh1蛍光に減圧パルスの影響が出るまでにかかった時間(タイムラグ=Ti)を測定する,である。 平成21年度は,減圧パルス-Ch1蛍光計測システムの作製とその性能確認を行った。作製した減圧パルス-Ch1蛍光計測システムでは,固定した植物葉の光合成を定常状態として,チャンバ内を瞬間的に減圧し,同時に,装着した携帯型Ch1蛍光計測装置(Mini-PAM, Walz)から出力される電圧を記録して,Ch1蛍光(蛍光強度,電子伝達収率)の経時変化をモニタリングできることを確認した。
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