2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21688020
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
若山 清香 独立行政法人理化学研究所, ゲノム・リプログラミング研究チーム, 研究員 (10525918)
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Keywords | クローン / 絶滅動物 / 異種間核移植 / 染色体移植 |
Research Abstract |
本研究では、最終的には絶滅動物の凍結死体細胞からクローンをよみがえらせる手法を開発することを目標としている。そこで核移植技術を中心に、絶滅動物を復活させるために解決しなければならない問題を想定しマウスを用いて実験を行った。従来、異種間核移植は近縁種の卵子へドナー核を注入する方法が用いられてきたが、近縁種の卵子が入手困難な場合や、異種間核移植そのものが難しい場合が多く困難であった。そこで今回我々はドナーの染色体を一本だけマイクロマニュピレータでつまみとり、受精卵に挿入する方法を開発した(投稿準備中)。まず挿入したい染色体をもつ体細胞を除核卵に核移植する。体細胞核が膨大化するタイミング(3時間)を見計らい、細胞骨格をばらばらにする薬剤(ノコタゾール、デメコルチンなど)で培養し、一つ一つの染色体を抜き出せる状態にする。次に同時進行で用意した別のマウス受精卵、または未受精卵に抜き出したドナー染色体を一本だけ注入する。染色体移植した卵子は胚盤胞まで培養し、ES細胞化する。すでにラット染色体1本を持つマウスES細胞の樹立に成功しており、現在ラット染色体の番号の特定とキメラマウス作製後のラット染色体由来遺伝子発現について解析中である。しかし、成功率が非常に低いことから、染色体を取り出す際の細胞骨格を壊すための薬剤の検討、及び染色体移植された卵子がその染色体を取り込むための最適な受精卵細胞周期の条件などを検討している。また毛皮やはく製からのクローン動物作成を目指す研究の一環として凍結乾燥させた体細胞(リンパ球を使用)からの核移植実験も行っている。この実験では胚盤胞期までの発生を観察することができた(未発表)。
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Research Products
(9 results)