2009 Fiscal Year Annual Research Report
非コードRNAによるエピジェネティック脳機能制御の種間多様性
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21688021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 拓也 Kyoto University, 理学研究科, 准教授 (90390682)
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Keywords | 非コードRNA / DNAメチル化 / 生物多様性 / エピジェネティック制御 / 脳 |
Research Abstract |
本課題は、種間や組織間で非常に多様であることが明らかとなってきた機能性noncoding RNA群に着目し、特にゲノムレベルで働く分子種の高度利用を目的とする。申請者の発見・命名したpromoter-associated noncoding RNA (pancRNA)について、[1]全マウス脳ゲノム解析を基点に制御下遺伝子を網羅的に同定し光その配列特異的エピジェネティック遺伝子発現制御活性がもたらす脳の部域化を解析する。更に、[2]遺伝子発現制御と脳機能の種間多様性を生み出す要因となっているか、他哺乳類種特異的pancRNAを、in vivo強制発現系によりマウスに賦与し、獲得形質を検定するものである。本年度は、項目1について、自ら開発したセンス・アンチセンス鎖RNAを分離してタイリングアレイ上で検出できる技術をもとに、マウス大脳皮質の遺伝子プロモーターに発現するnoncoding RNA (promoter-associated noncoding RNA : pancRNA)をプロファイリングした。RefSeqデータセットを元に,遺伝子上流から発現する非コードRNAをマウスで3500抽出することに成功した。項目2については、ニホンザル大脳皮質を重点的に解析し、驚くべきことにサルの倍の数に相当する7000にのぼる非コードRNAの同定に成功した。遺伝子転写開始点から上流<2kbに位置するpancRNAについても同様の差異があり、サルで約400、そのうちマウスには存在しない、つまりサルに特異的なpancRNAが半数を占めることから、相当数のpancRNAが下流の遺伝子に対して、マウスとは異なる制御に関わっていると考えられた。
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Research Products
(3 results)