2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21688022
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
水野 拓也 山口大学, 農学部, 教授 (90398826)
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Keywords | 犬 / リンパ腫 / 新規治療法 |
Research Abstract |
平成22年度までにマイクロアレイで同定した犬のリンパ腫特異的な遺伝子について、イヌリンパ腫細胞株8種、イヌリンパ腫症例6症例、正常リンパ球2症例を用いて、検討した。その結果、遺伝子A,遺伝子B,遺伝子Cについてイヌリンパ腫細胞株およびイヌリンパ腫症例において、正常リンパ球と比較して著しい発現増強が一致して認められた。そのため、これら遺伝子を犬のリンパ腫特異的な遺伝子とすることとし、特許出願中である。 また、それぞれの遺伝子について、犬の正常組織を用いて、cDNA全長配列を遺伝子クローニングし、その遺伝子構造を明らかにした。さらに、それぞれの遺伝子がコードする蛋白質を検出する系を確立するために、それぞれの1分子に対する抗ヒト抗体を購入した。それぞれの抗体のイヌの分子との結合を確認するために、それぞれのクローニングされた遺伝子を哺乳類発現ベクターに組み込み、HEK293T細胞にトランスフェクションし、蛋白回収し、ウエスタンブロッティングを行なった。その結果、すべての抗体が犬のそれぞれの分子と交差することが明らかとなり、それぞれの犬の分子の蛋白検出に用いる事ができる抗体であることが確認された。 現在、それぞれの遺伝子の過剰発現細胞株、ノックダウン細胞株を作成中である。 犬リンパ腫細胞をラットに免疫することにより得られた抗体ライブラリーから同定した遺伝子であるイヌPSGL-1抗原について犬のリンパ腫における発現検討を行なった。まず、13種類の得られたイヌPSGL-1に対する抗体をPSGL-1の欠損変異体を作成し、エピトープ部位によってグループ分けした。さらにそれぞれの抗体と正常犬リンパ球および犬リンパ腫症例由来腫瘍細胞との結合について検討した。13種類のほとんどの抗体が正常リンパ球に結合したが、リンパ腫症例に対する反応性とは少し異なる結果が得られた。現在その反応性に違いが何によるものかを検討中であり、これが明らかになることにより、犬のリンパ腫に対する抗体療法の候補分子として用いることが可能となる。
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Research Products
(10 results)