2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質のパルミチン酸化修飾によるメチル水銀毒性軽減機構
Project/Area Number |
21689005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黄 基旭 東北大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (00344680)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | メチル水銀 / パルミチン酸化 / Meh1 / EGO複合体 |
Research Abstract |
昨年までの検討によって、Akr1によってパルミチン酸化されるMeh1が、EGO複合体の一員として酵母のメチル水銀毒性軽減に関与していることを明らかにした。EGO複合体はパルミチン酸化されて液胞膜に存在するMeh1にEgo3が、次にGtr2が順々に結合することから、メチル水銀がMeh1-HAとEgo3-FLAGとの結合に与える影響を検討した。その結果、メチル水銀処理濃度に依存して両蛋白質間の結合が著しく抑制され、この際にEgo3-FLAGの蛋白質レベルの減少も認められた。そこで、Meh1の高発現がメチル水銀によるEgo3蛋白質のレベル低下に与える影響を検討したところ、メチル水銀処理の濃度および時間に依存して認められたEgo3蛋白質のレベル低下がMeh1の高発現によって何れも抑制された。また、Meh1またはEgo3の高発現が酵母のメチル水銀感受性に与える影響を検討したところ、Meh1高発現は酵母にメチル水銀耐性を与えたのに対し、Ego3高発現酵母は対照酵母と同程度のメチル水銀感受性を示した。これらのことから、Meh1はEgo3を液胞膜にリクルートすることによってその安定性の増加に関与していることが示唆され、Meh1高発現はEGO複合体の形成を促進させることによって酵母にメチル水銀耐性を与えたと考えられる。 EGO複合体は液胞膜でオートファジーを負に制御しているとの報告がある。オートファジー阻害剤である3-MAの添加は酵母のメチル水銀感受性を軽減させ、3-MA存在下ではMeh1欠損酵母が示すメチル水銀高感受性がほぼ完全に認められなくなり、3-MA処理した野生型酵母と同程度のメチル水銀耐性を示した。以上の結果から、パルミチン酸化されたMeh1がEGO複合体の一員としてメチル水銀によるオートファジーの誘導を負に制御することでその細胞毒性の軽減に関与していることが始めて明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)