2009 Fiscal Year Annual Research Report
Claudin modulatorを利用した非侵襲性投与技術の開発
Project/Area Number |
21689006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 昌夫 Osaka University, 薬学研究科, 准教授 (50309697)
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Keywords | claudin / 経皮吸収 / 非侵襲性投与 / 細胞間隙経路 |
Research Abstract |
昨今のペプチド・蛋白質・核酸医薬品等の難吸収性医薬品シーズの増大、患者の生活の質(QOL)および高齢化に伴う嚥下困難な患者の増加を考慮すると、消化酵素による分解を回避でき、非侵襲性であり、投与および投与の中断が容易な『経皮投与』が理想的な投与方法であることは言うまでも無い。しかしながら、光来皮膚は外部環境から生体内部環境を保護するバリアとして機能しており、一部を除き皮膚バリアを効率よく透過しうる薬物は少なく、ここに経皮投与薬創製の難しさがある。現在までに、皮膚の重層上皮細胞層に密着結合蛋白質(claudin-1、-4、occludin)が発現していることが詳らかにされている(Furuse et al., 2002他)。このことは、これらの分子のmodulatorが経皮投与基盤技術になることを示唆している。そこで本研究では、独自の生体バリア制御研究の成果を有効活用し、皮膚バリア制御分子を創製し、『貼る薬、経皮投与の実用化』に資する基盤技術の開発を目指す。本研究課題は、網羅的リガンド探索システムであるファージ表面提示法を利用した各種皮膚バリアリガンド分子の探索を出発点に初めての経皮投与基盤技術の創出を試みるものであり、研究の成否はファージライブラリの質とリガンド分子スクリーニング系の質が握っている。そこで研究計画一年目の本年度は、scFvライブラリ、C-CPEおよびclaudinの立体構造情報を基にしたペブチドライブラリ等を創製し、出芽バキュロウイルス発現系を利用した皮膚バリア制御分子スクリーニング系を構築した。さらに、claudin-4結合性ファージおよびclaudin-4発現出芽バキュロウイルスを用いてファージのスクリーニング条件を設定した。平成22年度は、本スクリーニング系を用いて皮膚バリア制御分子候補クローンの取得を試みる予定である。
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