2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内エネルギー代謝破綻の個体への影響と疾患との関係の解明
Project/Area Number |
21689009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 明子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50431656)
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Keywords | 核小体 / エネルギー代謝 / 癌 / rRNA |
Research Abstract |
本研究者は、細胞内のATP代謝を制御する新たな蛋白質複合体eNoSCを見出した。eNoSCは、新規蛋白質Nucleomethylin(NML)を含み、細胞内のエネルギー状態を感知して細胞のエネルギー収支を調節する蛋白質複合体である【Akiko Murayama et al.,Cell,2008】。そこで、本研究では、eNoSCの解析を通じて細胞のエネルギー代謝の個体における役割を明らかにし、細胞エネルギー恒常性の破綻と疾患の関わりを解明することを目指した。そのため、NMLノックアウトマウスの作製を試みたところ、メンデルの法則に従わず、多くのノックアウトマウスが胎生致死であることが判明した(野生型:ヘテロ:ホモ=1:2:0.1)。胎生致死の原因については現在検討中である。また、一部出生したマウスは野生型マウスに比べ、体重が軽く、体脂肪率が低いことが明らかとなった。さらに、高脂肪食負荷を行うと、逆に野生型マウスよりも太りやすいことが明らかとなった。また、糖負荷テストを行ったところ、野生型に比べ早期に血糖値の減少が認められた。これらの結果はNMLノックアウトマウスの糖代謝および脂質代謝に異常が認められることを示唆しており、さらに詳細な解析を進めている。以上の結果から、eNoSCが個体においてもエネルギーフローの調節に働くことが示唆された。
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Research Products
(1 results)