2010 Fiscal Year Annual Research Report
hTERT-RMRP複合体による幹細胞及びがん幹細胞の機能維持における役割の解析
Project/Area Number |
21689012
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Research Institution | 独立行政法人国立がん研究センター |
Principal Investigator |
増富 健吉 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (20450570)
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Keywords | 癌 / 幹細胞 / 生化学 |
Research Abstract |
テロメレース触媒活性サブユニットであるテロメレース逆転写酵素(TERT)の新規結合パートナーを同定しその新規複合体の機能および生理学的意義を検討することを目的として、幹細胞の機能維持に重要なテロメレース逆転写酵素と結合する新規RNAの同定と解析を行った。 本研究課題の研究過程でテロメレース逆転写酵素に結合する新規RNAとしてTERCと類縁のsmall nucleolar RNA(snoRNA)に分類されるRNase mitochondrial RNA processing endoribonuclease(RMRP)を同定した(Nature 2009, Maida et al.)。RMRPとTERT複合体形成にはnucleosteminとBrg1も内在することが確認された。レトロウイルスを用いてTERT-NS-Brg1複合体を導入したところがん幹細胞形質である極めて高い造腫瘍能と転移能、ES細胞用の遺伝子発現パターンおよび放射線感受性の低下を認めたことから人為的にがん幹細胞を作製することが可能となったと判断した。今後は、人工がん幹細胞モデルはがん幹細胞を標的とした治療薬のスクリーニング資するtoolとして活用できることが示唆される。テロメレース逆転写酵素と結合する新規因子群は幹細胞やがん幹細胞機能維持において疾患成立過程における重要な意義を有することが示唆された。
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