2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21689017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 智先 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (90303825)
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Keywords | トーンスポータ / 代謝酵素 / MDR1 / マイクロアレイ / タクロリムス / 薬物相互作用 / 薬物感受性 / 免疫抑制薬 |
Research Abstract |
肝移植患者において、一般的な肝機能マーカーであるトランスアミナーゼ(AST、ALT)や総ビリルビン(T-Bil)の上昇を認めないSubclinicalな拒絶反応の半数は、引き続きこれらマーカーの上昇を伴うClinicalな拒絶反応へと進行する。現状では、肝生検を用いた病理診断によって拒絶反応を診断するが、C型肝炎(HCV)ウィルスに感染した患者では肝炎再燃の病理像との区別が困難であること、薬剤性肝障害の可能性も否定できない等の問題点に対して、「移植肝障害」の原因究明に繋がる分子生物学的指標の同定を到達目標として研究を進めた。 研究初年度では、生体肝移植術時の肝生検組織(zero biopsy)をコントロール標本として、肝組織中のタクロリムス未変化体並びに3種類の一次代謝物の定量と、トランスクリプトーム解析を行うための解析系確立を中心的に行い、ほぼ達成された。この中で、肝薬物代謝酵素CYP3A5の多型性と急性拒絶反応の債に見出されるタクロリムスの代謝物プロファイルに対応が見られること、このマイナーな代謝物の検出は、急性拒絶反応後の予後指標の一部になり得ることが示唆された。 以上、研究初年度で有りながら、予想外の結果が得られたため、次年度以降に繋げていきたい。
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