2010 Fiscal Year Annual Research Report
E2Aの機能阻害による造血幹・前駆細胞の増幅及びその分子機構の解明
Project/Area Number |
21689027
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊川 友活 独立行政法人理化学研究所, 免疫発生研究チーム, 研究員 (60450392)
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Keywords | 造血幹細胞 / 自己複製 / B細胞 / 転写因子 / E2A / Id3 |
Research Abstract |
我々はE2Aの転写抑制因子であるId3をマウスの造血幹細胞へレトロウイルスを用いて導入し、B前駆細胞の培養条件下に培養することによって造血幹・前駆細胞を生体外で増幅させることに成功した。この細胞をId因子を用いた造血前駆細胞という意味でId-induced Hematopoietic Progenitor (IdHP)細胞と名付けた。本研究ではIdHP細胞の自己複製能に着目し、この分子機構の解明に取り組むことを目的とする。 研究実地計画に従い、本年度はId3とEstrogen receptorとの融合タンパク(Id3-ERT2)を発現するレトロウイルスベクターを用いて誘導可能なIdHP細胞の作製を行った。Id3-ERT2ベクターをマウス造血幹細胞に導入し、B細胞分化条件で培養したところ、Tamoxifenを加えないで培養すると、7日間でCD19陽性のB細胞が生成されたのに対して、Tamoxifenを加えるとB細胞分化が阻害され、プレ・プロB細胞様の細胞が生じた。この細胞はIdHP細胞の表面抗原フェノタイプと酷似していた。この細胞培養液中からTamoxifenを取り除くと7日間でCD19陽性細胞が生成された。このことはId3-ERT2によって停止した前駆細胞がB細胞分化を再開させたことを示している。この方法は前駆細胞の自己複製・分化を自在に制御できるため非常に有用である。また、B細胞への運命決定の分子機構を調べる上で貴重な誘導系となりうる。
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Research Products
(10 results)