2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ関連遺伝子ぺプチジルアルギニンデイミナーゼタイプ4に関する研究
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21689028
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 亜香里 独立行政法人理化学研究所, 自己免疫疾患研究チーム, 上級研究員 (00391996)
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Keywords | 関節リウマチ / シトルリン化 / petidylarginine deiminase type 4 / モデルマウス |
Research Abstract |
1.PADI4遺伝子改変マウスの作製 PADI4遺伝子ノックアウトマウスを作製した。遺伝的背景をB6に置き換えるため、スピードコンジェニックを行い、B6バックグラウンドに置換した。B6-Padi4KOマウスの表現型の解析を実施した。各組織(脾臓、胸腺、皮膚、リンパ節、脳、関節)を切片にし、HE染色法にて構造的な違いを調べたが、皮膚以外に、特にKOマウスに特徴的な構造は観察されなかった。脾臓より、脾細胞を取り出し、細胞分画を行い、T細胞、B細胞、マクロファージ、単核球などの比率を調べたが、これに関しても特に違いは見いだせなかった。B6よりもコラーゲン関節炎誘導による関節炎発症率のよい、DBA1Jマウスへのバックグラウンド改変も同時に行った。 2.CIAマウスの作製 ノックアウトマウスをもちいて関節炎モデルマウスであるコラーゲン誘導関節炎マウスの作製をおこなった。コントロールとしてB6マウスを用い、PADI4を欠損したマウスに関節炎導入をおこなった。PADI4を欠損することで関節炎が抑制されることがわかった。また、抗コラーゲン抗体価を測定したところ、KOマウスでは低い傾向が観察された。現在、抗CCP抗体価を測定し、自己抗体産生にどのような影響があるか、検討中である。 3.PADI4KOマウスを用いたモノクローナル抗体の作製 PADI4の酵素活性を抑制するための中和抗体の作製を目的とし、PADI4モノクローナル抗体の作製を行っている。HisタグをつけたPADI4を発現ベクターに組み込み、大腸菌に強制発現し、精製をおこなった。PADI4KOマウスに精製His-PADI4タンパクを導入し、現在、モノクローナル抗体を作成し、反応性を確認している。
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