2011 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ関連遺伝子ぺプチジルアルギニンデイミナーゼタイプ4に関する研究
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21689028
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 亜香里 独立行政法人理化学研究所, 自己免疫疾患研究チーム, 上級研究員 (00391996)
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Keywords | peptidylarginine deiminase / rheumatoid arthritis / Knock-out mouse / collagen-induced arthritis / citrullination |
Research Abstract |
PADI4遺伝子改変マウスの作製とそれを用いた関節炎誘導実験 PADI4遺伝子ノックアウトマウスを作製した。PADI4遺伝子を欠失させ、その代りにネオマイシン遺伝子を導入し、PADI4ノックアウトマウスを作製した。遺伝的背景がES細胞由来の129S1とB6の混合であるため、遺伝的背景をB6に置き換える必要がある。そこでスピードコンジェニック法を用いて、B6バックグラウンドに置き換えた。このマウスを用いて以下の実験を現在実施している。(1)関節リウマチのモデル動物にコラーゲン誘導関節炎(collagen-induced arthritis;CIA)があり、これはコラーゲンを実験動物に投与することで人工的に関節炎を起こさせる方法である。これをPADI4ノックアウトマウスで実施した。まずはその条件を検討するため、投与を行ったところ、B6マウス、B6バックグラウンドマウスは一般的にCIAに用いられる系統ではあるが、投与後の死亡率が同様に一般的に用いられるDBA1Jマウスよりも高く、30%ほどになることがわかった。また関節炎の発症率も低く、30~60%程度であった。そのため有意差検定で有意であることを示すためには個体数を増やす必要がある。(2)関節炎モデルマウスで調べられる自己抗体の指標として知られている、anti-CII antibodyの値を調べたところ、IgMクラス、IgGクラスともにKOマウスでは低下することがわかった。(3)CIAマウスに最適なDBA1Jバックグラウンドへのスピードコンジェニックを実施し、DBA1Jバックグラウンドへの置換が完了し、CIA実験を実施したところ、KOマウスでは平均スコアが有意に下がる傾向が確認できた。Padi4遺伝子の関節炎への関与を確認できた。
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