2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖異常による筋ジストロフィーと脳発達障害の分子病態解明と治療法開発
Project/Area Number |
21689030
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 千浩 Kobe University, 医学研究科, 准教授 (90324780)
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Keywords | 福山型筋ジス / 筋眼脳病 / 糖鎖 / 高次脳機能 / ゲノム / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本年度は以下の実験を行ってきた。 1,O-Man型糖鎖合成におけるfukutin、FKRP、LARGEの役割の検討 fukutin、FKIP、LARGEがO-Man型糖鎖の合成のどこの場面で関与しているかを検討してきた。しかし最近報告された論文で、これらの遺伝子はO-Man型糖鎖ではなく、別の未知の翻訳後修飾に関わる可能性が明らかにされた。そこで、α-DG発現細胞株からlaminin結合型と非結合型のα-DGを大量調製し、laminin結合に関与する未知の翻訳後修飾が何かを明らかにすべく、質量分析を行っている。 2,O-Man型糖鎖の合成機序の解明 fukutin、FKRP、LARGEが、他の糖転移酵素活性の調節や、糖転移酵素とジストログリカンを結ぶ役割をすることを検討してきた。非常に複雑な分子相互作用が明らかになりつつある。 3,α-DGpathyに対する治療法の構築 FCMDモデルマウスにfukutin遺伝子を戻す遺伝子治療と、LARGEによる代替糖鎖修飾を利用した糖鎖治療の有効性を検討するため、CMVプロモーターやMCKプロモーターと共にfukutin遺伝子、LARGE遺伝子を組み込んだアデノ随伴ウイルスベクター作成のためのコンストラクトを構築し、大量精製した。 4,高次脳機能とO-Man型糖鎖との関係の検証 中枢神経特異的にO-Man型糖鎖の異常を引き起こしている中枢神経特異的fukutin欠損マウスを創生するために、fukutin floxマウスと中枢神経細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウス(nestin-Creマウス)との掛け合わせを開始した。
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Research Products
(4 results)