2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の転移促進因子インテグリンαvβ3の機能解析と治療制御に関する検討
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21689031
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
地主 将久 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (40318085)
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Keywords | 悪性黒色腫 / インテグリンαvβ3 / MFG-E8 / 抗癌剤耐性 / DNA損傷応答 / 抗腫瘍免疫 / 死細胞貪食 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
本研究課題では悪性黒色種の進展や治療抵抗性にインテグリンαvβ3、およびそのリガンド群が果たす役割についての機能解析、およびその治療的制御法の開発を視野に入れて研究を展開し、インテグリンαvβ3リガンドMFG-E8が、抗がん剤投与に伴う宿主免疫応答抑制に寄与する因子であることや、メラノーマ幹細胞における治療抵抗性にインテグリンαvβ3発現細胞が寄与することを明らかとしてきた(Jinushi M, J Exp Med, 2009 : PNAS, 2011)。 さらに、申請者はメラノーマ細胞が新規分子標的剤Bイ笛Fキナーゼ阻害剤に対する耐性を獲得することで、慢性恒常的なATMを介したDNA損傷経路活性やNF-κB炎症シグナル活性を介して、インテグリンαvβ3が誘導されることを明らかとした。さらにB-RAFキナーゼ阻害剤不応性のメラノーマ細胞は、インテグリンαvβ3を介した樹状細胞による細胞貪食を促進することで、抗原特異的な抗腫瘍免疫応答を負に制御することを明らかとした。 以上より、メラノーマ細胞のB-RAFキナーゼ阻害剤耐性機構として通常知られているMAPキナーゼ経路の遺伝子変異に加えて、DNA修復応答活性を介したインテグリンαvβ3発現誘導と腫瘍免疫抑制を介したあらたな腫瘍進展メカニズムの存在を明らかとした。
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