2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復系のライフサイクルとホメオスタシスに基づく放射線感受性予測・制御戦略
Project/Area Number |
21689033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 義久 Tokyo Institute of Technology, 原子炉工学研究所, 准教授 (20302672)
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Keywords | 癌 / 放射線治療 / DNA二重鎖切断修復 / 発現制御 / 翻訳後修飾 / ライフサイクル / ホメオスタシス / 放射線感受性 |
Research Abstract |
本研究は、DNA二重鎖切断修復の非相同末端結合修復経路(NHEJ)で中心的な役割を演ずるタンパク質(DNA-PKcs、Ku86、Ku70、XRCC4、DNA ligase IV、 XLF(別名Cernunmos)など)に注目し、これらの分子が作られてから分解されるまでの一生(ライフサイクル)および変性などによる機能不全状態から回復あるいは防御する機構(ホメオスタシス)を探る。更に、これらと放射線感受性の個人差、組織・細胞による違いおよび生理的条件による変化との関係を探り、得られた知見を放射線感受性予測と制御の新しい技術開発に繋げることを目的とする。 1年目の本年度は、まず、これらの分子を培養細胞から抗体カラムによって単離し、翻訳後修飾状態を解析することを試みた。XRCC4については、結合分子探索もあわせて行い、細胞骨格関連因子、タンパク質リン酸化酵素、カルシウム結合タンパク質などを見出した。DNA-PK、新規タンパク質リン酸化酵素によるリン酸化部位探索およびリン酸化の意義の検討のため、網羅的にリン酸化部位置換変異体を作成した。また、他の修飾の可能性が考えられる部位についても変異体を作成した。更に、XRCC4のクロマチンDNAへの結合機構の解析を行うとともに、クロマチン結合状態にあるXRCC4を含む複合体を単離し、その成分分析を行った。 Ku86、Ku70については、これまでに、ヒトとマウスで発現量や安定性が著しく異なることを明らかにしているので、この原因を探るために、それぞれの培養細胞からcDNAを調製した。XLF、DNA ligase IVについては、ヒト細胞からcDNAを調製し、翻訳後修飾やタンパク質間相互作用に関わることが予想された部位について変異体を作製した。
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Research Products
(19 results)