2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復系のライフサイクルとホメオスタシスに基づく放射線感受性予測・制御戦略
Project/Area Number |
21689033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 義久 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (20302672)
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Keywords | 癌 / 放射線治療 / DNA二重鎖切断修復 / 発現制御 / 翻訳後修飾 / ライフサイクル / ホメオスタシス / 放射線感受性 |
Research Abstract |
本研究は、DNA二重鎖切断の非相同末端結合(NHEJ)修復経路で中心的な役割を演ずるタンパク質群に注目し、これらの分子が作られてから分解されるまでの一生(ライフサイクル)および変性などによる機能不全状態から回復あるいは防御する機構(ホメオスタシス)を探るとともに得られた知見を放射線感受性予測と制御の新しい技術開発に繋げることを目的としている。23年度は、XRCC4、XLFの翻訳後修飾やタンパク質間相互作用による機能調節と放射線感受性との関連を検討した。この過程で、DNA ligase IV(以下LIG4)において、その安定性およびクロマチン結合に関わる部位が明らかになったため、研究計画を一部変更、研究期間を延長し、24年度にその放射線感受性における意義を検討した。 その結果、NHEJの最終段階でDNA鎖同士を繋げる反応を司るXRCC4、XLF、LIG4の制御機構について多くの知見が得られた。主なものとして、(1) LIG4においてクロマチン結合に必要とされる領域、安定性に関わる新たな領域がそれぞれ明らかになった。これらの領域に変異を導入すると放射線感受性が上昇したことから、DNA二重鎖切断修復において重要であることが示唆された。(2) XRCC4のクロマチン結合に関与する分子とその結合領域が明らかになった。また、この領域が動物種間において極めて保存性が高いことが明らかになった。(3) XRCC4、XLFについて種間保存性を考慮しつつ系統的に作製された変異体の機能解析を行った。XRCC4については、リン酸化部位以外で放射線感受性が上昇する変異体が数種類見つかり、リン酸化以外の翻訳後修飾あるいはタンパク質間相互作用の役割が示唆された。 以上の知見の活用により、XRCC4、XLF、LIG4の協調を標的とした癌細胞の放射線増感の新たな手法がもたらされることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)