2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の移植肝濯流保存法の開発に向けた至適条件の網羅的解析
Project/Area Number |
21689035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秦 浩一郎 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (90523118)
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Keywords | 臓器移植 / 生体肝移植 / 臓器保存 / 灌流保存 |
Research Abstract |
平成22年度は、ラット全肝グラフトを用いて、肝灌流保存法の至適条件を調べるべく研究を進めた。HTK液を用いた単純冷保存60分+温虚血60分を対照群とし、灌流保存群として重炭酸リンゲル液、HTK液を用いて灌流保存120分(60+60分)を施行し比較検討した。 門脈灌流か、動脈灌流か、或いは両方を灌流するのか、灌流圧5~100mmHg、灌流温4~37℃、灌流被pO2;40~500mmHgの範囲で変化させ、種々の因子、及びその組み合わせについて現在も網羅的解析を続けている。この比較的短時間の保存時間においても、動脈灌流群の方が再灌流後の胆汁産生量が多い傾向にあり、動脈灌流保存法の有用性についてさらに研究を進めている。また、Polysol液を本年度から使用できることになりそうで、準備を進めている。 以上により選定された灌流保存条件を用いて、本年度には(1)ストレス応答の応用、(2)PDTC、PDE-III阻害薬を用いた薬理学的な、また(3)CO,NOを用いた"Post-conditioning"法の開発を目指す。同時にブタ部分肝自家移植モデルを用いて、単純冷保存群との比較により灌流保存法、及び"Postconditioning"法の有用性を確認する予定である。
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