2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞移植を模倣した新規心筋再生因子キャリアによる心筋再生治療の確立
Project/Area Number |
21689037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 充弘 Osaka University, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (20448038)
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Keywords | 心筋再生 / DDS |
Research Abstract |
本研究では、フォスファチジルセリン含有した細胞サイズのリポソームによって、アポトーシスに陥った細胞を模倣することで、組織の炎症反応を制御する。人工合成が可能なリポソームであれば、安価且つ容易に、そして拒絶反応の影響なく炎症を抑えことができる。さらに、リポソーム内に心筋組織修復・再生を促すようなタンパク質や遺伝子等を内包することで、炎症を制御しながら組織の修復・再生を実現するような、新規の心筋再生治療用キャリアを開発し、細胞を用いない心筋再生医療を実現することを目的とした。まず、様々な割合の脂質で効率よく細胞サイズのリポソームを作製できる条件を検討した。そして、肺胞マクロファージを採取し、Lipopolysaccharide (LPS)で刺激した後、作製したリポソームを培養液中に滴加する。24時間後、培養液中の炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-6,IL-1β)及び抗炎症性サイトカイン(IL-10, TGF-β)レベルをELISAにより測定した。また、心筋細胞においても同様の評価を行いフォスファチジルセリン含有リポソームの抗炎症作用について検討した。さらに、上記と同様の方法で、細胞サイズのリポソームとナノサイズのリポソームとの抗炎症効果について比較検討を行った。フォスファチジルセリン含有した細胞サイズのリポソームは、in vitroにおいて、炎症系サイトカイン分泌の抑制と抗炎症系サイトカイン分泌の促進が認められた。さらにこの効果は、細胞サイズに特異的であった。
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Research Products
(1 results)