2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNAワールドにおける階層的遺伝子発現制御機構の解明とその応用
Project/Area Number |
21689049
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森 亮一 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30509310)
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Keywords | miRNA / 炎症 / 組織修復 / 次世代シークエンサー / 線維化 |
Research Abstract |
発生学領域において様々なモデル生物を用いた研究により、組織修復に限って炎症反応は必ずしも必要でなく、逆に組織線維化を導く増悪反応であると考えられているが、その分子メカニズムは明らかではない。これまでの研究により、既知の遺伝子についてはDNAチップなどを用いて、炎症反応に依存して発現誘導される遺伝子群が同定されてきた。その中でもオステオポンチンは、皮膚瘢痕形成に関与することが示され、炎症反応と組織修復の分子機構の一端が解明された。しかし、他の瘢痕形成関与遺伝子の存在が示唆されるので、詳細な解析を行う必要がある。 近年、蛋白質に翻訳されないと考えられていた多数のDNA配列がncRNA(non-cording RNA)として転写され、蛋白質発現制御に関与していることが明らかになった。ncRNAの中でもmiRNA(microRNA)は、標的mRNAに作用して遺伝子発現制御に関与する分子として知られている。いくつかのmiRNAは、炎症反応特異的に誘導されることが報告されていることから、炎症反応により特異的に発現誘導されるmiRNAは、炎症反応だけでなく組織修復時に重要な役割を担っていると推察されるが、未だ同定及び機能解析がなされていない。 そこで本研究では、miRNA及び既知遺伝子における遺伝子発現制御機構の全貌を明らかにするため、トランスクリプトーム解析を行い、組織修復及び炎症関連に関するmiRNAを抽出、発現細胞の同定を行った。 今後は、抽出したmiRNA群の機能解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)