2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 章 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20332471)
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Keywords | 標本化 / 再生核 / ヒルベルト空間 / モデル選択 / 計量 / 直交射影 / 汎化誤差 / 関数推定 |
Research Abstract |
再生核ヒルベルト空間に係る関数推定という主題に関連し、以下のことを明らかにした。 1.所与の再生核に対応する再生核ヒルベルト空間に属する任意の関数が、所与の標本点の情報から完全再構成されるために、当該再生核と標本点が満たすべき必要十分条件を解明した。また、完全再構成が不可能である場合について、真の関数と推定関数の、任意の定義域の点における絶対誤差の上限を理論的に解明した。 2.過去、不変な計量を有する再生核ヒルベルト空間の族の中で、未知の推定対象を含む最小の再生核ヒルベルト空間が最も良いモデルを与えることを示したが、それによる推定関数の、各点での最適性については未解明であった。それに対し、各点の誤差の上限値についても、同様の結果が得られることを解明した。 3.上で述べたような、不変な計量を有する再生核ヒルベルト空間の族に対する性質は、必ずしも不変な計量を持たない再生核ヒルベルト空間の族では成り立たないことを理論的に解明した。 本研究課題の解析に有用と考えられる、線形系に関する以下のような知見を得た。 1.欠損のあるデータに対する欠損値推定の問題に関して、理想的な状況では、期待二乗誤差最小の意味での最適解が古典的なウィーナーフィルタであることを指摘するとともに、相関行列に誤差がある場合でも当該性質が成立する十分条件を与えた。 2.観測が未知であるような線形方程式において、観測が何らかの二次制約を満たす場合に対する理論的な解析を行うとともに、解を求めるアルゴリズムを構築した。
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