2009 Fiscal Year Annual Research Report
縮約密度行列法による電子構造計算の新アルゴリズム提案
Project/Area Number |
21700008
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
FUKUDA Mituhiro Tokyo Institute of Technology, グローバルエッジ研究院, テニュア・トラック助教 (80334548)
|
Keywords | 電子構造計算 / 縮約密度行列 / 半正定値計画問題 / 1次法 / 最適化 / 大規模最適化問題 / 数理計画法 / 量子化学 |
Research Abstract |
量子化学において最も基本的な問題とされるのが原子や分子の電子構造計算である.この計算を厳密に行うことは数学的にも計算機を用いて数値的に求めることも非常に難しいものである.一方,この計算を縮約密度行列法で近似することは最適化の分野で言う半正定値計画問題を解くことに相当する. 本年度はNesterovによって提案された1次法の理論的検証を主に行った.この手法は理論的に収束までの計算量が求まる素晴らしいものである.しかし,元々は制約無しの問題に提案されたものであり,量子化学から得られる半正定値計画問題に対して適用することは自明でないことも分かった.現在、数値的な実装を見当し,類似手法と比較するための準備を行っている。 量子化学から生成される超大規模な半正定値計画問題は従来,計算機クラスター上で並列主双対内点法を用いて解かれてきた.これまで我々のグループが解くことに成功したものは基底関数の数が30までのものであった.しかし,並列主双対内点法を実装したソフトウェアを最近大幅にアップデートしたおかげでより大きい問題が解けることが判明したため,現在それらの実験を行っている. 関連した問題に電子構造計算を非凸2次計画問題として近似する手法もあるが,この問題の大域的最適値を近似して求めるアルゴリズムを現在実装中である.
|