2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700012
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
相田 慎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教 (60345957)
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Keywords | 計算量理論 / アルゴリズム / ソフトウェア科学 / ソフトウェア工学 / オブジェクト指向 / グラフ・ネットワーク理論 |
Research Abstract |
「ゲーム理論」は、古くより様々な分野で幅広く研究されている理論であるが、いくつかの研究アプローチがある。特に、将棋や囲碁などのゲームの盤面を計算理論的に抽象・一般化し、ゲームの進行を「ある種の計算機」と見なした計算モデルが交替性計算である。このモデルは、計算量理論においては比較的古典的なものであるが、計算構造が他のモデルと比較すると極めて複雑であり、その本質的な計算能力について未解決問題が多い。 本研究の課題は、この交替性計算モデルの概念をより明確にするために、既存の計算モデルである決定性・非決定性・確率的計算モデルそれぞれを比較し、従来の計算量理論の手法や新しい技法を適用することで、各計算モデルで定義される計算量(すなわち、計算に必要な時間とメモリ領域)の各クラス間の未知なる関係性を明らかにすることである。特に、交替性計算が決定性計算を別の側面で特徴付けるだけでなく、本質的に計算手法が異なることこの示唆している。これに基づいて、未解決問題である「非決定性計算量・乱択計算量の交替性計算による非自明な特徴付け」に関する適切な予想策定として、本年度は非決定性計算量で双対性を持つクラスNP∩co-NPの構造に着目し、交替性計算量クラスとの比較を行った。 さらに、計算量・アルゴリズム理論の応用的側面を考察した。そして、与えられたオブジェクト指向ソフトウェアが「ある種の複雑ネットワーク性である」その性質に着目して、ソフトウェア構造を再構成することで、ソフトウェアへの機能追加し易い構造(良構造)へ変形するアルゴリズムを構築した。
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