2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21700024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹田 耕一 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (10436561)
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Keywords | 計算機システム / 組込みシステム |
Research Abstract |
昨年度では,これまで研究を続けてきたプロファイラを,さらに進化させた高性能な性能プロファイラの開発を行った.また,Rubyのスレッド機構の改善を行った.そして,プラグイン・プラグアウトを自動的に行うためのコンパイラの検討と開発を行った. (1)性能プロファイラの実現 実行時オーバヘッドを極力少ない,リアルタイム性能プロファイラを開発した.また,計算機資源が少ないことが多い組込みシステムで必須となるリモートプロファイリング機能を実現した.本性能プロファイラは,メソッド呼び出しの親子関係を可視化し,その呼び出しごとのプロファイリング結果を表示することができる.今後,メモリプロファイラと統合し,実際に多くの人に利用されるようなソフトウェアに発展させていきたいと考えている. (2)スレッド機構の改善 Rubyのスレッド機構を改善し,Rubyインタプリタの省電力化を行った.Rubyインタプリタはタイマスレッドというものを用いるが,これがCPUを低速状態に保つ妨げとなっていた.そこで,タイマスレッドが不要な場合は停止するような実装を行い,実際に消費電力減となったことを確認した.また,複数CPU上でスレッドがスイッチしないという問題点について,スケジューリングに関する問題点を,スケジューリング機構に新しい仕組みを導入することで改善した. (3)プラグイン・プラグアウト機構の検討と開発 コンパイラインフラストラクチャであるLLVMを利用して,C言語レベルで不要な仕組みをプラグアウトし,また必要になったら自動的にプラグインするコンパイラの検討と開発を行った.現状ではプラグイン・プラグアウトの最小単位はC言語の関数単位で行うことができる.今後,これをさらに進展させ,柔軟なプラグイン・プラグアウト機構を実用化させたいと考えている.
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Research Products
(5 results)