2010 Fiscal Year Annual Research Report
高級な通信・移動機能を備えた実用的アンビエント計算言語
Project/Area Number |
21700029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬谷 誠二 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40378831)
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Keywords | プログラミング言語 / プロセス計算 / 大規模分散システム / コード移動 |
Research Abstract |
本年度は,本研究が目標としているアンビエント計算に基づく高水準言語処理系の土台として用いるための,より低水準な実装技術およびフレームワークの開発を行った.具体的な成果としては,主に以下の3つが挙げられる. 1.Java言語用アンビエント計算フレームワーク アンビエント計算の近接移動および膜融解の機能を汎用言語であるJavaから利用するためのフレームワークを構築した.これにより,アンビエント間の並行・協調動作を単純なモデルで表現しつつ,各アンビエント内の処理をJavaで記述するという書き分けが可能となり,プログラムの記述性・再利用性が向上した. 2.Scheme言語用アンビエント計算ライブラリ アンビエント計算の機能をScheme言語から利用するためのライブラリを構築した.1とは異なり動的かつインタラクティブなScheme言語をベースに採用することで柔軟な分散アプリケーションの開発が用意な環境を提供している.たとえば,プログラマブルな分散チーム開発ツールなどは,このライブラリを使ったScheme対話環境上で容易に実現できる. 3.大規模分散環境向け実装技術の開発 上記1,2の基盤となる技術として,アンビエント計算の諸機能を大規模分散環境やモバイル環境で実現するための実装方式の設計を行った.この方式がアンビエント計算モデルを正しく実装できていることについての厳密な数学的証明も行った.
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