2009 Fiscal Year Annual Research Report
大容量メモリを高度に活用しシステム性能のディペンダビリティを向上する技術の研究
Project/Area Number |
21700032
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
河合 栄治 National Institute of Information and Communications Technology, 連携研究部門テストベッド研究推進グループ, 有期研究員 (40362842)
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Keywords | メモリ管理 / ページング / Weak Pointer / メモリ共有 / 非同期 |
Research Abstract |
本研究の目的は、OSのメモリ管理の基盤であるページングの性能に対するペナルティを軽減するメモリ管理手法を開発することである。具体的には、ページングによる二次記憶へのメモリデータの保全が不要となる新しいメモリ管理手法を提案する。本手法により、複数のゲストOS環境が動作したり、多様なサービスがホスト上に展開されたりするクラウド環境において、メモリ利用方法が高度化されることが期待される。 今年度は、メモリデータが保全されないメモリ領域をアプリケーションから利用するための基本的なプログラミングモデルの開発および基本的な機能の実装を行った。具体的には、次の三つの機能となる。 1. 保全されないメモリ領域を安全に使うための基本的なAPIの設計 本APIは、メモリ領域の状態遷移を暗黙的に管理することで、非同期的に解放されてしまったメモリ領域へのアクセスに対して安全にエラーを返すことが出来る。 2. 保全されないメモリ領域を実現するための基本的なシステム機能 本機能は、割り当てたメモリ領域のページングを抑制し、かつメモリ割り当ておよび解放に対してそれぞれ確実に物理ページの割り当ておよび解放を実現する。 3. アプリケーションプロセスと非同期的にメモリを解放するメモリマネージャスレッドメモリマネージャスレッドはアプリケーションプロセス内で独立して動作し、システムのメモリ使用状況をモニタリングし、必要に応じて非同期的にメモリ領域を開放する。 これらの実装により、メモリが余っている時にはキャッシュ的にメモリを活用してサービス性能を最大化する一方で、システムでメモリ不足が発生した際にはページングが与える性能へのペナルティを最少化する、基本的な要素技術が確立された。
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Research Products
(3 results)