2010 Fiscal Year Annual Research Report
大容量メモリを高度に活用しシステム性能のディペンダビリティを向上する技術の研究
Project/Area Number |
21700032
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
河合 栄治 独立行政法人情報通信研究機構, 連携研究部門・テストベッド研究推進グループ, 主任研究員 (40362842)
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Keywords | メモリ管理 / ページング / Weak Pointer / メモリ共有 / 非同期 |
Research Abstract |
本研究の目的は、OSのメモリ管理の基盤であるページングの性能に対するペナルティを軽減するメモリ管理手法を開発することである。具体的には、ページングによる二次記憶へのメモリデータの保全が不要となる新しいメモリ管理手法を提案する。本手法により、複数のゲストOS環境が動作したり、多様なサービスがホスト上に展開されたりするクラウド環境において、メモリ利用方法が高度化されることが期待される。 今年度は、昨年度に開発した(1)保全されないメモリ領域を安全に使うための基本的なAPI、(2)保全されないメモリ領域を実現するための基本的なシステム機能、(3)アプリケーションプロセスと非同期的にメモリを解放するメモリマネージャスレッド、を連携動作させ、実際にシステム上において人工的なワークロードを用い、メモリ不足時にもページングを発生させず、安定した性能を維持するための各種パラメータの設定を調査した。最終的には、非常に大量のメモリを急激に使用してもページングを引き起こさないための設定が可能となった。 さらには、本研究で得られた知見を元に、クラウドコンピューティング環境をターゲットとして、急激なメモリ利用状況の変化にも耐えうるメモリ管理のフレームワークを提案した。これらの技術を用いると、特に大規模クラスタ上を用いたボランティアコンピューティングのように、システムの負荷状況に応じて振る舞いを変化させることが求められる環境において、高性能とサービスの頑健性を両立することが期待できる。
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Research Products
(3 results)