2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロダクトラインアプローチによる異常処理系の再利用性向上に関する研究
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21700035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中西 恒夫 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (70311785)
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Keywords | プロダクトライン / ディペンダビリティ / 再利用 / 異常処理 |
Research Abstract |
プロダクトラインの分野において,製品間相違性の記述にはフィーチャモデリングがデファクトスタンダード的に用いられている。しかし,フィーチャモデルはどうとでもそれらしいものを記述できるため,どのようにフィーチャモデリングを行えばよいのかモデリング実施者を混乱させている。異常処理系の製品間相違性記述を論じる以前にフィーチャモデリングのあり方を論じる必要がある。本研究では,ソフトウェアアーキテクチャの事前設計を目的とする,フィーチャモデリングのガイドラインとアンチパターンを定義した。今後は,これらガイドラインとアンチパターンの異常処理系特化版を整備する。 既存の異常処理系の設計・実装方法論として,今年度はセーフティクリティカルアプリケーションで用いられるNバージョンプログラミングに着目し,そのプロダクトライン拡張を試みた。Nバージョンプログラミングは,同一仕様異実装のコンポーネントを並行に動作させ,多数決処理等によりシステムのディペンダビリティを高める手法である。ここで同一仕様異実装のコンポーネントの多様性をどう管理するかが問題となるが,本研究では製品間相違性とコンポーネント間多様性をフィーチャ概念により統一的に記述する手法,ならびに同手法を前提としたコア資産管理手法を提案した。今後は同手法のケーススタディを実施する。 現実のプロダクトラインを対象としたフィーチャモデリング,特に異常処理系をも含むフィーチャモデリングを実施した場合,フィーチャモデルの大規模化が常に問題となる。本研究では,フィーチャモデルの大規模化に対応すべく,大規模なフィーチャモデルを理解しやすく描画するフィーチャモデル描画アルゴリズムも開発した。今後は同アルゴリズムを拡張し,異常処理系フィーチャの理解しやすい描画手法を検討する。
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