2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロダクトラインアプローチによる異常処理系の再利用性向上に関する研究
Project/Area Number |
21700035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中西 恒夫 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (70311785)
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Keywords | プロダクトライン / ディペンダビリティ / 再利用 / 異常処理 / FMEA / HAZOP |
Research Abstract |
平23度は,初年度(平21度)に計画していた,「既存の異常処理系分析,設計,実装に関する方法論あるいは方式のプロダクトライン拡張」の研究に大きな進展が見られた。システムの信頼性・安全性を向上する分析手法として,1)システム構成要素の故障モードとその影響を分析・評価し,それらへの対策を検討するFMEAや,2)システムの諸属性値の大幅な逸脱から異常状態を早期し対策を検討するHAZOPが知られ,これまでさまざまな産業分野で応用されてきている。平成23年度はこれらの手法をソフトウェアにも応用,統合し,プロダクトライン開発のための1)異常系分析/設計プロセス,2)例外処理設計プロセスを定義した。 異常系分析/設計プロセス:機械製品等のFMEAでは,システムのコンポーネントの故障モードを検討することが多いが,提案プロセスでは(コンポーネントに分割される以前の)要求,より具体的にはユースケースの各ステップに関する故障モードを洗い出し,その影響を分析し,機能面や工程面の対策を講じることでシステムの信頼性や安全性の面での改善を図る。機能面での対策については製品間の共通性/相違性分析が施され,プロダクトライン開発に備えられる。故障モードはHAZOPの考え方を応用して洗い出される。要求以降の工程でも向様の考え方でシステムの設計や実装の改善を図る。 例外処理設計プロセス:上述の異常系分析/設計プロセスと同様の考え方であるが,加えて例外処理クラスの設計手法を構築した 上記の異常系分析/設計プロセスでアウトプットされるシステム改善(追加機能等)を既存システムに施す際にはシステムの改修が必要となる。システム改修のための方法論として派生開発手法が知られているが,同手法はシステムの改修のみならず,プロダクトライン開発への漸次的導入にも応用できる。平成23年度は派生開発からプロダクトライン開発を導入する方法論の基本構想も得られた。
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