2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700036
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 豪志 Kyushu University, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70284578)
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Keywords | HPC / CAF / 通信最適化 / 動的最適化 |
Research Abstract |
本年度は、最適通信手段選択技術の開発を行った。開発に当たっては、米国Rice大学で配布されているCAF開発環境をダウンロードし、用いた。この開発環境のソースコードを解析し、大域メモリアクセスから下位レベルの通信命令に変換している部分を見つけ出し、その部分において、通信の最適化を行うような改変の手段について検討を行った。また、個々の通信最適化技術自体について、サンプルプログラムを用いて実装し、効果を検証した。このうち、NAS Parallel Benchmarks等で頻繁に用いられる通信の定型パターンである集団通信を対象とした、実装アルゴリズムの自動選択技術については、冗長通信の削除や複数通信の一括実行を組み合わせたアルゴリズムを複数用意しておき、それらを実行時に試行しながら最適なものを自動選択することにより、効率のよい並列実行が行えることを確認した。また、アルゴリズムを試行する際、予め作成しておいた各アルゴリズムの性能予測モデルを用いて対象のアルゴリズムを絞り込むことによりアルゴリズムの自動選択技術に伴うオーバヘッドを大幅に低減できることを示した。 さらに、科学技術計算において多用される疎行列とベクトルの積計算において行われる通信パターンについて、各プロセスの通信コストとその直前の計算コストから総合的に最適なプロセスへの分割手段を実行中に探索する技術についても、研究開発を行い、効果を示した。 研究開発環境として、当初は九州大学情報基盤研究開発センターの計算機群、東京大学のT2Kシステム、および本研究費で購入する計算サーバを想定していたが、研究発表に伴う旅費が想定していたよりも増額したため、東京大学のT2Kシステムについては利用できなかった。しかしながら、九州大学情報基盤研究開発センターのシステムだけでも十分多様性のある実験が行えた。
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Research Products
(4 results)