2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン特化型言語を用いた分野横断知識の連携手法の研究
Project/Area Number |
21700041
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐々木 晃 法政大学, 情報科学部, 准教授 (90396870)
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Keywords | ソフトウェア学 / ドメイン特化型言語 / コンパイラ / 言語開発環境 / プログラミング言語 |
Research Abstract |
本課題での研究目標は、異分野間に渡る情報や知識を分野横断的に扱うソフトウェアを、ドメイン特化型言語(以下DSL)を中心としたフレームワークを用いて効果的に構築する手法を開発することである。 本年度は、研究課題のうち次の3つを達成した。(1)フレームワークの実現を目標として、関数型言語を基礎とした仕様記述言語および、処理系実現のための定式化手法を開発した。(2)知識連携アプリケーションの土台となる基本システムとして、エージェント言語の実装を行った。また、知識連携アプリケーションの設計と開発を容易に実現する手法として、DSL言語を効率よく実装するためのドメイン特化型言語デザイナ(以下DSLデザイナ)のプロトタイプ実装を行った。(3)本フレームワークを用いた知識連携アプリケーションの開発を目標とし、(2)で開発したエージェント言語を拡張する形で、シミュレーションシステムの設計と実装を行った。 本年度の研究成果の意義、重要性は次の通りである。 (1)個別分野の知識を処理するDSL言語を作成し、これをDSL言語によって統合するという新しいアプローチを提案し、実現に必要な方式を見いだした。(2)分野横断アプリケーションの効果的な実装のためには、DSL言語の効果的な設計と実装手法が必要となるが、汎用的なDSL言語から特化することで新たなDSLを得る手法について明らかにできた。(3)提案するDSLデザイナ用いる手法により、言語の開発にかかる実装コスト削減、保守性向上が期待できる。特に本手法では、ユーザインタフェースにより言語を設計する方法をとれるため、ノンプログラマの分野専門家が言語の設計に携われるという利点がある。
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