Research Abstract |
複数組織により管理されるネットワークや計算機,ストレージ等の多様な資源を用い,性能が保証された仮想情報基盤を構築するには,適切な多種資源を同時に割り当てる必要がある.その際,利用者の資源要求を満たすこと,ネットワークを含む多種資源を割り当てること,管理者の割り当て方針を考慮すること,割り当てに要する時間がオンライン処理として実用的であること求められる. よって,本研究では事前予約を前提として多様な資源をユーザの要求に対して適切に割り当てるスケジューリング手法を提案し,シミュレーションによる提案手法の有効性の評価と,実システムへの応用を行った.今年度は,昨年度提案した整数計画問題にモデル化したネットワークと計算機を同時確保するスケジューリング手法の改良と,実システムへの応用を行った. スケジューリング手法の改良では,多種資源とその属性情報を考慮した手法を提案した. 既発表手法を拡張して整数計画モデルに新たな制約を加えることで,多種資源の同時割り当てや資源の一部をユーザが明示的に指定できるようにした.シミュレーションによる評価では,資源の一部をユーザが指定する場合は31.7msecと高速に処理でき,属性指定がある場合も通常と同程度であることが分かり,提案手法の実用性が示された.実システムへの応用では,我々が開発している資源管理フレームワークGridARSへ提案手法を組み込み,GLIF2010およびSC10において実証実験を行った.GridARSは,マルチドメイン環境で多種資源の確保、仮想情報基盤の構築、モニタリングを行う.提案手法をGridARSの資源管理システムに組み込み,2ネットワークドメイン,4計算ドメイン環境で,仮想情報基盤の自動的な構築とモニタリングを行った,実験において,提案手法により適切な予約プランを作成し,資源確保に適用できることを示した。
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