2010 Fiscal Year Annual Research Report
センシングデータ転送用シリアル通信の高速化・低消費電力化
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21700050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
室山 真徳 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (80404060)
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Keywords | センサネットワーク / シリアル通信 / 高速化 / 低消費電力化 |
Research Abstract |
データの時間的・空間的圧縮を可能とするセンサネットワークシステムに関して前年度の結果を基に実システムへの適用を検討した。具体的なアプリケーションとして、今後の少子高齢化社会に必要となる介護ロボットのための触角センサネットワークシステムを仮定した。介護ロボットでは、人間に対して高度なサービスを提供し、安全性を確保するために、ロボットの体表面全体に高密度な触覚センサ素子を配置する必要がある。このシステムは高速応答の実現および低消費電力化が重要となる。この触覚センサ素子は、MEMSのカセンサとその信号処理および伝送処理を実現するLSIを集積化したデバイスである。ここで、配線を削減するために、各触覚センサ素子はシリアルバスにて接続する。このセンサネットワークは割込み通信方式を採用しており、各触覚センサ素子が同時発火しバス上に大量のデータを同時に伝送する可能性がある。ホスト側でのデータ量の負担およびバス上の複数データの衝突を避け、高速かつ低消費電力でデータを伝送できるようにするために、各触覚センサ素子は自動的にバス上の状態を把握し、データの伝送間隔などを調整する。そのほか指示によりサンプリング間隔などを調整することが可能である。 前年度にTSMCのCMOSO.18umプロセスにて試作を行ったチップで実測を行った。2.4mm角の小面積化を達成し、10MHzクロック動作・1024サイクルサンプリング時において0.11msの高速応答、2.23mWの低消費電力化を同時に達成できることを確認した。既存の触角センサではこれらは同時には達成できない。また、ほかのセンサ素子がデータ送信中であれば各々が上手く送信できるように再送間隔を調整できる。連続送信時も衝突を避けるために送信間隔を調整できる。実応用として役に立つ高速・低消費電力なセンサネットワークシステムを実現できることが示された。
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