2009 Fiscal Year Annual Research Report
非均質SAN環境のための自律適応型分散ストレージシステムに関する研究
Project/Area Number |
21700058
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
布目 淳 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (60335320)
|
Keywords | データストレージ / 計算機システム / ハイパフォーマンス・コンピューティング |
Research Abstract |
非均質なストレージ装置で構成されたSAN上で、各ストレージ装置のもつ特性を最大限に引き出す分散ストレージシステムについて方式の検討を行った。まず、データ配置を最適化するために必要な情報をiSCSIパケットと同時に転送することで、「情報交換の頻度を上げて精度を高めること」と「情報交換のためにネットワークトラヒックが増加すること」の間に存在するトレードオフポイントを適切に設定した。これにより、データ配置を最適化するための情報を別個のフレームとしてネットワーク上に流す必要がなくなるため、小さなオーバヘッドで情報交換が可能になる。また、最大転送単位(MTU)を大きくすることでiSCSIプロトコルにどれだけの情報を付加できるか確認するため、MTUの異なる2種類のネットワークにおいて実際のトラヒックを収集・解析した。アクセスパターンを変化させた場合の振る舞いを確認するため、ストレージへのアクセスが短時間に集中するケース(大規模プログラムのビルド行程)と、定常状態での利用状況を想定したケース(一般ユーザによるホーム領域へのアクセス)の2つのケースで測定を行った。これらの結果をもとに、ネットワークフレームに挿入する管理情報の種類と量、挿入するタイミングを決定した。さらに、これらのパラメータを、ストレージへのアクセス状況とトラヒック量の変化に適応して決定する方式を設計した。提案方式の有効性を評価するために、汎用イベントレベルシミュレーションライブラリであるGYPSIを用いて、ソフトウェアによる仮想的なSAN環境を構築し、シミュレーションを行った。シミュレーションで得られた結果より、提案方式の動作に論理的な矛盾がないこと、およびオーバヘッドが軽微であることを確認した。
|